農業の人手不足の解消や農作業の軽減を目的に、農業も自動化が進んでいる。中でも注目を浴びているのがAIやロボティクス技術を駆使した「トマト自動収穫ロボット」だ。

トマト自動収穫ロボットとは

Panasonic Newsroomより画像引用
https://news.panasonic.com/jp/stories/2018/57949.html

トマトの苗の畝と畝の間に敷かれたレールの上を走行し、画像認識をするカメラが搭載されているのでアームを動かしてトマトを収穫する。
画像認識機能には適正に熟している物なのかを判断してくれる為、品質には問題無い。収穫方法はアームの先端がリング状になっているので、リングに通し実を引っ張り、下に取り付けられたポケットに落とす事で収穫をしてくれる非常に画期的なロボットだ。

導入する事で効率がどれくらい変わるか

農作業にかかる全体の時間は 約16万時間。その内の20%が収穫に時間が取られる為、
自動化できるたけで3万5000~6000時間程をカットする事ができるようだ。
現在はロボットで6秒に1個のペースで収穫が可能で、夜間含む10時間以上稼働ができる。
基本的には夜に稼働させ、寝ている間に収穫をしてくれるので、朝起きたら収穫が完了している。
人間の場合、2,3秒に1個のペースで収穫ができるが、3,4時間程度しか作業ができない為、
農園では十分なスピードだ。

ミニトマトの収穫も自動化が進んでいる

AGRI JOURNALより画像引用
https://agrijournal.jp/renewableenergy/49228/

通常のトマトより小さいミニトマトの収穫においても自動化が進んでいる。
株式会社スマートロボティクスが開発する自動走行型アームロボットだ。
「傷つきやすくサイズが小さい」といった性質から、非常に難易度が高い中、
収穫実験では1個あたりの収穫時間は「約15秒」を実現している。
こちらは実用化を目指して、量産に向けたコストダウンや自動走行機能の改良を進めているようだ。

ロボットと人間の共存を目指す

農業に限らず、小売店舗や物流において人手不足や高齢化が課題となっている中
ロボットを導入する事で人々の役に立ち、社会に貢献をしている。しかし、
「自身の仕事が無くなってしまうのではないだろうか」そんな不安や危機感をお持ちではないだろうか。 実は、完璧なように見えるロボットもできない部分がある。例えば、励ましあったり、寄り添いあうなど、情緒にかかわる部分はロボットには難しい。ロボットにできない部分、人間にできない部分を互いに補う事で仕事の質を高め、「ロボットと共存する」社会が出来上がっていくのではないだろうか。




株式会社ノードコミュニケーション 寺田 永史