メタバースの概念

メタバースとは、インターネット上における仮想空間であり、不特定多数のユーザーが仮想空間の中で様々な行動を取るために参加できる仕組みです。 ユーザーがメタバースに参加する際には、自身のアバターを作成して動き、ほかのアバターとの交流から商品・サービスの購入、通貨取り引きなどを可能にします。 また、メタバースの利用には明確な制約がありません。そのため、システムの提供者やユーザーは、仮想空間において目的に合わせた行動を自由に取れます。 つまり、メタバースの利用方法はほぼ無限であり、アイディア次第でビジネスにおける各業種に活用できます。

メタバースはどうやって生まれた?

現在の3DCGを用いたメタバースに比較的近い仮想空間を構築したサービスは、2000年代前半に登場しました。 また、アバターを通して2Dの仮想空間でコミュニケーションを取る形のシステムは、すでに1980年代にリリースされています。

メタバースのメリット

仮想世界でのイベントが体験可能 ⇒コンサート、各種イベントなど会場に行かなくてもオンライン上で参加が出来る ビジネスでの活用がしやすい ⇒コミュニケーションツールとして活用することで、テレワークのデメリットでもあるコミュニケーション不足の解消が可能

メタバースのデメリット

メタバースだけに限った話ではないが、依存症になる場合がある ⇒オンラインゲームなどでも言われるデメリットですが、依存症には注意が必要 現実世界でのコミュニケーション機会の減少 ⇒学校や仲間や友人たちとオンライン上で集合し、コミュニケーションを取る機会が増えてしまうと、現実世界でのコミュニケーションを取らなくなってしまう可能性がある

メタバースがもたらす効果

メタバースにおいて重要なのは、ユーザー=人同士の交流がもたらす共有体験です。 このような人間関係を築くには、現実世界においては組織などの制約に従う必要がありますが、メタバースでは個人同士の強固なつながりを得られます。 そして、個人同士で共有体験をすることで、目標を同じくするユーザーを募り、精鋭が集まるチームとして動き出すことも期待できます。

コロナ禍により生じた【メタバース・バブル】

仮想空間サービス自体ではなく、それを取り巻く環境変化の影響、「COVID-19」。現実空間で集まることが困難になり、イベントの中止や厳しい制限を付けた上での開催を余儀なくされた。 現実空間にほど近いイベントをバーチャルで開催可能な空間としたのがメタバースだ。 メタバースを展開するプラットフォーム企業も、そうしたニーズに応えるべく様々な企業や機関とコラボレーション活動が進んでいる。

メタバースのビジネス利用

・社員やチーム同士の仮想空間の共有 ⇒メタバースを活用すれば、社員同士もしくはチーム同士において共有体験が可能なため、仮想空間における共通の体験やコラボなどが期待できます。 仮想空間の共有を同じくすることで、従来のオンライン会議よりもさらにユーザーの積極性を促し、組織としての連携をより強める効果もあると考えられます。 ・仮想空間における共同作業 ⇒社員やチーム同士で仮想空間を共有できることは、その空間において遠隔で作業を共同で行えることにもつながります。 例えば、物理的な製品開発を要する会社やチームでは、3Dを活用したオブジェクトの共有が必要であり、当初はその目的でメタバースの開発が進んでいました。 仮想空間の共有は、結果的に遠方にいる社員やチームが、製品開発における図面や技術、デザインなどの共有および共同での制作作業を可能にするでしょう。 ・仮想空間での交流会やイベント開催 ⇒国や地域、時間などの垣根なく仮想空間を共有できるメタバースでは、物理的に会場を設定しない交流会やパーティなどを開催できる可能性も広がります。 都合で現地に向かえない人とも仮想空間ですぐに出会うことができ、多くのコミュニケーションを実現します。 普段は顔を合わせられないユーザーと、仮想空間の中で状況にとらわれずじっくり話すことは、より深いコミュニケーションや信頼感を築くことにつながるでしょう。 ・全国各地での社員研修 ⇒特に、全国に支社を持つ会社においては、全社で社員に同様のスキルを習得させるために、均等な内容で研修を受けさせるよう求められます。 現在、遠方では情報共有も難しい面がありますが、メタバースを活用した社員研修により、共通の空間にて会社の一員である意識を高められます。 また、上司・同僚それぞれの個々のつながりをさらに深め、積極的な指導や意見交換を促進する足掛かりにもなるはずです。

各企業のメタバース導入例

・メタバースを活用した企業への投資信託(ETF)の承認申請 ⇒アメリカの企業では、メタバースを活用する企業に対し、投資信託・ETFを証券取引委員会に承認申請し実装する取り組みを行いました。 この申請が下りると、メタバースを開発・リリースする企業にETFとして投資が可能となります。 ・仮想空間におけるゲーム内広告の活用 ⇒イギリスの企業では、メタバースの仮想空間内で広告を表示できるプラットフォームをリリースする計画を立てています。 このプラットフォームのリリースが実現すれば、世界中のユーザーが利用するメタバース内で効果的に広告を打つことが期待できます。 ・様々なソフトウェアをつなげユーザー体験を向上 ⇒アメリカの大手IT企業の試みでは、同社がリリースするビジネス用ソフトやSNSなどをメタバース上ですべてつなげて一元化することを目指しています。 各種ソフトウェアの垣根をなくすことは、メタバースだからこそ実現することのひとつであり、それぞれのユーザーがメタバース上で共同作業を行うことなども見込めるでしょう。 ・アプリのプラットフォーム拡充 ⇒日本国内でも、ゲームなどのアプリを提供しているIT企業が、メタバース事業に注力し、その可能性により事業を新たな方向に転換するとしています。 具体的には、同社がリリースしているライブ配信アプリにメタバースを導入し、ユーザー間での交流をよりリアルなものとするプラットフォームを拡充する計画です。

まとめ

様々な企業がメタバースの導入および活用に力を入れています。 メタバースは、どのようなビジネスでも活用の可能性があり、アイディア次第でビジネスが格段に広がるものです。 メタバースを活用するために、社会のニーズを汲み、ビジネスにどう活かすか精査することが大切です。

株式会社ノードコミュニケーション 寺田永史