「VRオフィス」、「バーチャルオフィス」とは?
人々が、自身の分身となるアバターを通じて、仮想空間に入り、自由に活動や交流ができるサービスのことです。既にテレワークなどで導入されていることの多いオンラインミーティングツールとは異なり、バーチャル上のオフィスに従業員それぞれのアバターが出勤し、まるで実際のオフィスのように自由にバーチャル上にある部屋を行き来したり、他のアバターと会話をしたりすることができます。バーチャルオフィスが普及する可能性
単なるテレワークでは、必要な事項を伝えることはできても雑談が生まれにくく、コミュニケーションが必要最低限になってしまい、一体感が生まれにくいという点が問題視されていました。企業活動の中には、会議のような、あらたまった場所のみならず、自由なコミュニケーションの場からアイディアが生まれる場合がある他、従業員同士のコミュニケーションが円滑になることで日常業務のやり取りがよりスムーズになるとの側面があるためです。こうした問題は、バーチャルオフィスやVRオフィスで現実世界と大差のないコミュニケーションが取れるのであれば解決できます。現時点ではまだいくつかのハードルはあるものの、バーチャルオフィスやVRオフィスへの出勤が当たり前となる日もそう遠くないかもしれません。バーチャルオフィス導入のメリット
昨今の人手不足に悩む企業が多いかと思います。しかし、バーチャルオフィスを導入することで、地域に関係なく人材を確保することが可能となります。また、VRオフィス内で、多言語が同時翻訳されるシステムも開発されているとのことであり、言語の壁も超えることができるかもしれません。現実のオフィスを増やすことなく世界中から優秀な人材を集めることも夢ではないでしょう。バーチャルオフィス導入のデメリット
VRオフィスやバーチャルオフィスを導入する際は、仮想空間のオフィスに出勤する従業員それぞれのパソコンやインターネット環境について、より強固なセキュリティ対策が必要です。仮にセキュリティの甘い従業員のパソコンが乗っ取られたりインターネットのセキュリティが突破されたりして、従業員のアバターに成りすました不審者が仮想空間のオフィス内や会議空間に入ってきた場合は、気づくことができない可能性があります。知らないうちに機密情報が外部に漏れていたなどの事態を避けるため、セキュリティにはより注意する必要があるでしょう。まとめ
VRオフィスやバーチャルオフィスは、まだまだ新しい仕組みです。現状は課題も多いものの、今後より一層技術が向上し法整備も追いついていけば、導入する企業も増えていくことでしょう。この取り組みが現実となれば、本人の通勤時間や交通費、身体的な部分に大幅なゆとりが持てると私は考えます。IT業界の新たな取り組みから目が離せません。 株式会社ノードコミュニケーション 寺田 永史